◎「 分数は便利で役に立つ 」
算数・数学をかなり勉強しているのに成績が伸びない、苦手意識が取れないというお子様の場合、
「分数を完璧に使いこなせていない」ことが原因となっていることが多いようです。
中学生になって心新たに勉強し、文字式、方程式、関数、図形などの解き方を十分に理解しているのに成績が上がらない、という結果になってしまいます。
なぜならテストでは、分数を含む面倒な問題に変えて出題されることが多く、そこで計算ミスをしてしまうからです。
「分数を制する者は計算を制す」ですから、まずは分数を完璧に攻略し「分数は得意! 任せて」と言わせるレベルを目指しましょう。
まず、次の計算をさせてみると、苦手レベルがある程度分かります。
(例題1)
9÷8=
これを見て、電卓を使いたくなったり、ノートで筆算をしようとするようでしたら、
分数の学び直しが必要です。分数を使いこなせる子は即答で、
$\large{\frac{9}{8}}$
と答えます。
また、次のような問題でも大きな差が出ます。
(例題2)
7×27÷3
分数に苦手意識があると、以下のように二度も筆算をして答えを導きます。
7×27=189 (筆算)
189÷3=63 (筆算)
でも、分数を使いこなせる子は、
7×27÷3
=$\large{\frac{7\times27}{3}}$ (27と3を約分して)
=$\large{\frac{7\times9}{1}}$
=63
という計算をして、簡単に答えを出します。
以下は類題。分数を使いこなせば、暗算で答えを出せるかもしれません。
9÷7×42
222×9÷2
他にも次のような、「速さ・時間・道のり」の問題で、分数の力が求められることがよくあります。
(例題3)
時速90kmで走る自動車が、2時間40分で進む道のりは何kmですか?
道のり=速さ×時間
ということをきちんと理解していても、分数の理解が足りないと、
90×2.4=
というような間違った式をたててしまいがちです。
分数を使いこなす力があれば、
2時間40分=2$\large{\frac{40}{60}}$時間=$\large{\frac{160}{60}}$時間
と変換して、
90×$\large{\frac{160}{60}}$=
と正しい式から正解を導きます。
似たようなことは、割合、文字式、方程式、関数、図形など多くの単元で起こり得ます。
ですから逆に言うと、分数をマスターし、自在にあやつる力があれば、算数・数学を学ぶ効率を上げ、ミスによる減点を防ぐ強力な武器になってくれます。
その上、理科、物理・化学の学習でも必ず必要とされますから、できるだけ早い内から磨きをかけておくに越したことはありません。
まずは「分数は便利で役に立つ」「利用しなきゃ損」という実感を得させてから、分数の攻略を手伝うのが良いかと思います。
続く
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の記事で何か分かりにくい点などございましたら、下部コメント欄(原則公開で対応)やお問い合わせ(非公開個別対応)から、教えていただけるとありがたいです。感想や雑談などもお待ちしております。
以下のボタンから シェア をしていただけると、とても嬉しいです。よろしくお願いします。(^_^)♪♪