◎分数の特徴
分数を分かりやすく教えるには、分数の計算が完璧にできるだけでは足りません。
分数の全体像をより深く的確に把握しておく必要があります。「敵を知る」ことですね。
分数は整数や小数と違い、以下のように多彩な使われ方をします。
$\large\frac{2}{5}$ を例にすると
1.1枚のピザを5人で等しく分けた時の2人分のことを表す
2.$\large\frac{2}{5}$m $\large\frac{2}{5}$kg のように、mやkgという単位を付けて、実際の長さや重さ(40cm、40g)を表す
3.2÷5の商(割り算の答え)を表す
4.親キリンと子キリンの身長が5mと2mだった時の、親キリンに対する子キリンの割合(何倍か)を表す
5.$\large\frac{4}{10}$,$\large\frac{6}{15}$,$\large\frac{8}{20}$,・・・等、いくつもの等しい分数に置き換わる
6.整数や小数の代わりとして使われる
このように幾通りにも使われていることを大人は漠然と理解し、使い分けていますが、初めて出会う子にとっては、いく通りにも変身する化け物のように見えることでしょう。
ですから、大人はその時々の分数の意味や役割の違いをしっかりとわきまえた上で、教える必要があります。
特に4の使われ方については、もう一つの難敵「割合」の理解に大きく影響を与えるので、心して教えたいものです。
◎攻略に立ちはだかる大きな壁 算数用語
もう一つ、分数攻略の前に大きく立ちはだかっている壁が、次の算数用語です。
真分数、仮分数、帯分数、〇等分、
数直線、約数、公約数、倍数、公倍数、
約分、倍分、通分、逆数
普段の生活では使うことのない沢山の算数用語、その意味を的確に理解し、使いこなせるだけの運用力が求められます。
逆に言うと、「上に記した全ての用語の意味を的確に理解し、使いこなせる」ことが「分数の攻略」であると言えるかもしれません。
ですから、1つの用語を教えた後は、子ども自身がその言葉を何度も使う反復学習が必須となります。
◎まとめ
今回は、教える時に意識するべき重要ポイントとして以下の2点をお伝えしました。
・多彩な使われ方をする分数の特徴を的確に理解し、その微妙な違いをわきまえた上で教える
・分数独特の算数用語は教えるだけではなく、何度も使わせて身に着けさせる必要がある
次回からも、子どもたちが「分数」を好きになり、自由に使いこなせるようになるために必要と思われる情報をお伝えして行く予定です。
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